有酸素運動
有酸素運動とは、酸素を普段よりも多く取り込みながら行う、それ自体、楽しみながらできる運動です。
充分に取り込んでいる酸素を使って、体内の糖質や脂肪をエネルギー源として燃焼することによって、ゆっくりとエネルギーを生み出します。
乳酸を生じないために疲れが蓄積せず、途中からエネルギー源が徐々に体脂肪に切り替わっていくので、長時間運動を続けることが可能です。
有酸素運動のときの呼吸は普段よりも軽く弾む感じで、深い呼吸なので、より多くの酸素が取り込めます。まさに有酸素運動はこの呼吸がポイントです。呼吸が軽く弾んでいれば、普段よりも多くの酸素を体内に取り入れているということです。
人と楽に会話ができる程度で、やや汗ばみ、爽快感を味わいながら、30分でも1時間でもやろうと思えばできる強度です。
有酸素運動は、目的によってレベルを変える必要があります。年配の方や運動療法として行う場合は軽めの有酸素運動をすべきですし、ダイエット目的の人は有酸素運動のなかでもややレベルを上げると、より多くの脂肪が燃焼されていきます。スポーツの基礎体力養成のためであれば、「激しくはないが、ややきつい」というレベルで行う必要があります。
代表的なものとしてはウォーキング、ジョギング、水泳、水中ウォーキング、サイクリングなどがあります。器具を使った有酸素運動としては、ステッパーやエアロバイクなどがあります。
ただ、ウォーキング以外は、激しく運動した場合、無酸素運動にもなります。有酸素運動として行う場合は、上記で述べたように、呼吸に意識を集中して、気をつける必要があります。
器具を使ったエアロバイクなら、高性能のコンピュータが脈拍を自動測定してくれます。その脈拍を見ながら、強度を調節できます。
初めに強度を設定しておきさえすれば、その脈拍を元にペダルの強さを自動的に調節して、それ以上の強度に移行しないようにしてくれるエアロバイクもあります。
単純でリズミカルな動作を最低10分以上反復することで、効果的な有酸素運動になります。ウォーキングもジョギングもステッパーも、みんなそうですね。単純でリズミカルな動作のほうがとくに頭で考えずに運動でき、あなたは何かほかのことに意識を向けながらでも、できるのです。また、心拍数も一定のレベルを保ちやすくなります。
また小さな筋肉よりも、下肢の大筋群を使った運動のほうが、静脈血の心臓への還流が促されるので、心臓の負担も少なくてすみます。つまり、イスに座った腕だけのダンベル体操よりも、歩いたり、ステップを踏んだり、足を動かした運動ということです。
有酸素運動は酸素によって脂肪を燃焼でき、足腰の強化に役立ち、血行がよくなることから多くの健康効果が期待できます。実際、医療の現場でも食事療法、薬物療法とならび、運動療法としても利用されています。
有酸素運動は20分あたりから体脂肪をおもなエネルギー源として利用できるため、ダイエットにも適した運動です。
有酸素運動は、誰かと競う必要もなく、自分のペースを維持して行う運動といえます。